
近日点は、地球の公転軌道の中で太陽に最も近づく点です。遠日点は、太陽から最も遠ざかる点です。地球は1月初めに近日点を通過し、そのとき太陽までの距離は約1億4710万km。7月初めには遠日点を通過し、距離は約1億5210万kmになります。
差は約500万km、割合にすると3%あまりです。大きな数字に聞こえますが、空を見上げて気づけるほどの違いではありません。そして、夏と冬が生まれる原因もこの距離ではありません。
名前の由来
近日点・遠日点は、英語の perihelion・aphelion の訳語です。ギリシャ語で *helios* は太陽、*peri* は近く、*apo* は離れて、という意味です。
月にも同じ考え方の言葉があります。月が地球に最も近づく点を近地点、最も遠ざかる点を遠地点と呼びます。
距離が変わる理由
地球は太陽のまわりを完全な円を描いて回っているわけではありません。軌道は楕円で、太陽はその中心から少しずれた位置にあります。軌道がどれだけつぶれているかは、離心率という数値で表します。地球の離心率は約0.017。完全な円なら0です。
これはほとんど円です。地球の軌道を正しい縮尺で紙に描いても、楕円だと気づく人はいないでしょう。このページ冒頭のような図は、近日点と遠日点の位置がわかるように形を誇張しています。
地球は軌道上で速さも変わります。近日点で最も速く秒速約30.3km、遠日点で最も遅く秒速約29.3kmです。
今後数年の日時
日付は年によって1〜2日前後します。理由のひとつは月です。地球と月は共通の重心のまわりを回っているので、地球は軌道上でわずかにふらつきます。うるう年によってもカレンダー上の日付がずれます。
| 年 | 近日点(UTC) | 遠日点(UTC) |
|---|---|---|
| 2027 | 1月3日 02:33 | 7月5日 05:06 |
| 2028 | 1月5日 12:28 | 7月3日 22:18 |
| 2029 | 1月2日 18:13 | 7月6日 05:12 |
| 2030 | 1月3日 10:12 | 7月4日 12:57 |
日時はアメリカ海軍天文台(USNO)の値で、協定世界時(UTC)で示しています。日本時間にするには9時間を足します。2027年の近日点は1月3日11時33分、遠日点は7月5日14時06分です。2028年の遠日点は日本時間では7月4日7時18分になり、日付が変わります。
長い目で見ると、日付は少しずつ遅くなっていきます。近日点はおよそ58年に1日のペースで後ろへずれます。1250年ごろには12月の冬至とほぼ重なっていました。今は冬至の約2週間後です。
どれくらい違いがあるのか
近日点では、大気の上端に届く太陽光が遠日点より約7%強くなります。太陽に向いた1平方メートルあたりに届く太陽光は、平均で約1361ワット。1月初めには約1407ワットに増え、7月初めには約1317ワットに減ります。
太陽の見かけの大きさも少し変わります。近日点では、太陽の視直径が遠日点より約3.4%大きくなります。約32.5分角と約31.5分角の違いです。肉眼ではわかりませんが、同じレンズで半年離れて撮った2枚の写真を並べると、はっきり見えます。

© Andrei Dumitriu (Afdumitriu) · CC BY 4.0 · 2021-01-02 / 2021-07-05
太陽の見かけの大きさは日食にも関わります。7月は太陽が少し小さいので、月が太陽を完全に隠しやすくなります。ただ、月の距離のほうがずっと大きく変わるため、皆既日食になるか金環日食になるかは、たいてい月の距離で決まります。詳しくは月の楕円軌道の記事をご覧ください。
1月がいちばん暑い月ではない理由
北半球では、地球が太陽に最も近づくのは真冬です。季節を生むのは、約23.4度傾いた地球の自転軸です。6月には北半球が太陽の方へ傾き、太陽が空の高くまで昇り、昼が長くなります。12月には逆に太陽と反対側へ傾きます。
地面に届く光の量は、距離による7%の差よりも、この傾きのほうがはるかに大きく左右します。だから日本が冬のとき、オーストラリアは夏です。どちらも太陽からの距離は同じです。
それでも距離の影響は少しあります。南半球の夏は近日点のころにあたり、日射がやや強くなります。しかし南半球は大部分が海で、水は温まりにくく冷めにくいため、夏は北半球より穏やかになります。地球全体の平均気温が最も高くなるのは、遠日点に近い7月です。北半球の広い陸地が、夏に急速に暖まるためです。
出典と関連ガイド
- アメリカ海軍天文台は、近日点と遠日点の日時を春分・秋分、夏至・冬至とあわせて公開しています。
- NASAの地球のファクトシートには、近日点・遠日点の距離、公転速度、平均の太陽放射量が載っています。
- NASA Space Place では、季節が生まれる理由を英語で解説しています。
- 関連する SolarWatch ガイド:月の楕円軌道と日食の種類、月と太陽が同じ大きさに見える理由、毎日どれだけ日が長くなるか。
SolarWatch で確認する
季節タイルには、次の春分・秋分と夏至・冬至が表示されます。近日点は、そこに出ている12月の冬至の約2週間後にやってきます。年間概要では、今いる場所の日の出・日の入りと昼の長さが1年でどう変わるかを確認できます。昼が長くなったり短くなったりするのは地軸の傾きのためで、太陽までの距離はほとんど関係ありません。
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